J.K.Goodmanの気持ち/佐野バビ市

第19回本公演・10周年記念特別大興行


『かたわこや』

チケット発売になりましたね。

演劇という隠れ蓑のもと、10年ものあいだ悪ふざけしてきた【呪われた劇団】をその目で確かめに来てください。

さて。
劇団旗揚げ以前から付き合いのあるJ.K.Goodmanさんからよく、

便意に負けて遅刻。

便意に負けて途中下車。

といった話をたびたび聞いてきた。

何を言ってるんだ? と。

大の大人がうんこひとつ我慢できずにどうするんだ? と。


思ってたんです。

で、

わたし、今日なんですが、劇団とは別件の打ち合わせがあり、長引き、最寄りの駅までの終電は諦め、まぁ、池袋まで帰れればどうにかなるだろう。
と池袋止まりの山手線終電に合わせて打ち合わせに参加し続けてたんですね。

打ち合わせの最後のほう、なんだかおかしいんですよ。
お腹が痛い。
あれ? 気のせいかな?
と思ったんだけど、やっぱり痛い。

まぁ、どうにかなるんだろうな、と思って代々木上原の終電のホームにギリギリ到着する。
電車が遅れてる。
なるほどな、と。
電車が遅れてるんだな、と。

ホームで待つ。
寒い。

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
腹痛が激痛に変わってくる。
でもトイレに行くほどの電車の遅れではない。
もう電車は下北沢まで来ているとアナウンス。
ここでトイレに行ったら乗れない。

精神力とラマーズ呼吸でホーム上をウロウロし、ようやく来た新宿行・最終の小田急に乗り込む。

代々木上原と新宿ってこんなに距離があったのか?

なかなか新宿に着かない。

脂汗をかきながら新宿で最終・池袋行山手線に乗り込む。

なかなか山手線が動かない。

なぜだ?

どうしてだ?

激痛と戦う数分間。
電車が止まっている理由の放送が無い。
ゆえにいつ発車するかもわからない。

さぁ、どうするか。 と。

耐えますよ。

放送がかかる。


「中央線最終・三鷹行の接続を待って発車します。」

なるほどな。
じゃあ、その電車が今、どの駅にいるかによってトイレに行く時間を捻出することができるぞ、と。
思ったら、その瞬間三鷹行がホームに入線。

ちんたら乗り換える連中に殺意をおぼえる。

刺す。

そう思った。

山手線、発車ベルが鳴る。
ドアが閉まる。
いよいよ発車だ。

発車、オーライ!

電車が動き出す。

池袋に向けて。

その時、小生は新宿駅のホームに立っていた。
池袋まで電車に乗り続ける自信がゼロになったからだ。

発車する山手線を凌ぐスピードで階段まで走り、降り、トイレへ。

悔しい。

電車が遅れていなければ確実に池袋に到着しているはずの時間だ。
電車が遅れたために、新宿駅の電車がすべて終了したこの瞬間、時分はまだ新宿駅のトイレの個室にいる。

「大丈夫ですか? もう駅が閉まりますので急いでください」

駅員の非情なドアノックが小生の個室に響く。

悔しい。

なんて悔しいんだ。

こんな想いを、

こんな辛さを、

こんな屈辱を、

これまでずっと、J.K.Goodmanは味わって来たのかと思うと涙が出た。

J.K.Goodmanさん、あなたが背負っているものはこんなに大きなものだったんですね。

いよいよ今週土曜日は5月本公演のステップレース『放送禁止ミルクホール名人会2013』
こんな想いのまま突入するわけにはいかない。
涙は汚物と一緒にトイレに流した。

J.K.Goodmanともども頑張りたいと思う。
まったく予想外の出費、新宿からのタクシー代への怒りを土曜までに抑え、芸事の神様をお迎えするコンディションを作りたいと思う。

チケットまだ残ってます。
お待ちしてます。