これ食べんシャンツァイ/J.K.Goodman

パクチーにハマっている。
 
ハッキリいってクサイ。子供の頃にお墓の草取りを手伝わされた時の匂いがする。
 
先日、アイハラさんに、稽古場帰りにパイロンという飲み放題のお店に誘われて飲んできた。
 
餃子の店だが、ラインナップは台湾料理の様だ。餃子のトッピングにパクチーが50円。
 
焼き餃子、蒸し餃子、それぞれ頼んでパクチーを別に頼む。
 
餃子は不味くはない。いや美味しいのかもしれない。
 
しかし、トッピングのパクチーと一緒に食べると、もはやパクチーの香りのする挽肉でしかない。味のすべてをパクチーが持っていく。
 
アイハラさんもパクチーまみれにしながら、餃子を食べる。そして飲む。
 
あっという間にビールが干され、パクチーもなくなる。
 
ビールと、トッピングのパクチーだけ、追加する。
 
餃子の小皿に、テーブルの上にあった醤油と酢と豆板醤で、アイハラさんがパクチー用のドレッシングを作る。
 
きたトッピングのパクチーをその小皿にファサっと和えて、一言。
「これ間違いないよ。」
 
ここ数年で聞いたアイハラさんの声で一番自信を持った声だった。
 
男2人が50円のパクチーとビールだけを4回頼んだところで、お店のパクチーがそこをついた。
 
そしてラストオーダーの時間がきた。
飲み放題は時間制限があるのがダラダラ飲まなくて良いメリットだが、最後の一杯はなかなか迷う。
 
私は紹興酒。アイハラさんは、「紹興酒、ボトルで」と当たり前のように頼む。
 
飲み放題のラストオーダーにボトルで頼むのか!遠慮もクソもないな‼
二度目の衝撃。
 
まぁ、飲み放題でボトルは無理なんですと簡単に断られていた。大学時代から10年以上の付き合いだが、放題系では元を取る!スタイルは全く変わらない。
 
そして、もう一つ。
 
タレや醤油が垂れそうな刺身とか焼肉なんかを口に運ぶ時に、タレを受けるのに左手添えるときあるでしょ。
 
アイハラさんはあの手を手のひらじゃなくて、手の甲で受ける。
 
だから、右手で、食べ物口に運びながら、左手でアイ〜ンてしている。
 
それも変わらない。