俺とお前と夕焼けと切なさと例のアレ/永山盛平

お初にお目にかかる皆さんも多いと思います。
永山盛平ともうします。
タイガーというユニットで主宰をしたりTHE黒帯という劇団で役者をやったり自宅で一日中いやらしい事を妄想したり忙しい日々を送っている者です。

昨年末の東京ミルクホールのクリスマス会にご来場頂いた方にはハイセンスな紙芝居をやった人物と言った方がわかりやすいですね。

今回、劇団東京ミルクホールさんの本公演に初参加させて頂きます。
よろしくお願い致します。

さて、初めてという事もありますので、今回は僕とミルクホールの皆さんとの馴れ初めをお話したいと思います。

数年前、高校生だった僕はかなりのワルでした。
日々ケンカに明け暮れる日々。
同じ学校だろうと他校の生徒だろうと相手かまわず喧嘩を売り、カツアゲなどもしていました。

ある日道を歩いていると、細身の優男が歩いているではないですか。
『ちょっとゲーセンで遊ぶ金でもせびるか』とその優男に声をかけました。

『よお、あんちゃん。ちょっと金貸してくれねーか。』

すると優男は静かな口調で言いました。

『あなたが永山君ですね。こんな事してて恥ずかしくないか?かっこ悪いとおもわないか?』

思いがけない言葉に驚きました。
優男が乱暴者で有名な僕と知っていながらも説教をしてきたのです。
僕は驚きながらも怒り狂い、彼に掴みかかりました。

その瞬間!!

僕の身体はフワリと浮き上がり、気付くと彼の足元に投げ落とされていました。
彼の一本背負いで投げ飛ばされたのです。

何が起こったかわからず混乱する足元の僕を覗き込み、彼は静かに微笑みながら言いました。

『なあ、下らねえ事してないで、俺たちと一緒にシバイ、しねえか?』

その優男、後の佐野バビ市といいます。
彼に連れられて稽古場に訪れると、そこには僕と似たような境遇の、若さのエネルギーを悪事でしか発散する事ができない若者達が、爽やかな汗を流しながら稽古に励んでいたのです。

月日は廻り、そうやって演劇のきっかけを作ってくれたミルクホールに今回はゲストという形でついに参加する事が出来たのです…。


全部うそ。

頑張るので観に来て下さーい!!